自分が感銘を受けたあらゆるジャンルの作品を完全な主観で備忘録的に書きとめていきます。 ■このブログの続きとして、【2109年を生きるゲーム職人への手紙。】に移転しました。 ■ときどきネタバレを含むのでご注意のほどを。
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ぶわっと泣いて、何度も何度も観ました。 なぜあの作品がよいかという構造的な話よりも、ぼくは『自分がなぜこんなにも感動してしまうのか』に注目して、それを分析するために、観たいという気持ちが押し寄せてくる間中、ただひたすら観つづけました。
具体的というのは、人生設計やその方法論が確立されているかどうかではなく、『自分が進みたい方角』がしっかりわかっているという意味です。
この作品は、なんとなく日々を歩んでいた真琴が、とある事件をとおして一つの大きな夢を見つけ、進むべき未来を見つめてまっすぐに生きてゆこうと決意する様を描いています。 ぼくがステキだなと思ったのは、その純粋さ晴れやかさはもちろんのこと、真琴が未来に対して明確なビジョンを持ったことです。 PR
今のままの自分ではこの先だめになってしまう。そう痛烈に感じたのは、2005年の話です。 ○7つの習慣 手助けとなったものは本当に無数にあるのですが、特にいまの自分をつくるにあたって重要な意味合いを持つ、これからも指針になるであろう存在たちです。 ●槇原敬之の『僕が一番欲しかったもの』 理由は歌詞のまんまです。 ●内田樹の『疲れすぎて眠れぬ夜のために』 「私には無限の可能性があるのかないのか、どっちですか?」 これはぼくも知りたかった。それに対する内田先生の答えは次のようなものでした。 <自分の可能性を最大化するためには、自分の可能性には限界があるということを知っておく必要があります> この一見逆説的な言葉は、ずうっともやもやしていた思いに答えを与えてくれました。 可能性という言葉の捉え方もそれにつれ変化し、それによってどう生きるべきか(自分の可能性をどう伸ばしていきたいか)の指針が一つできました。
自分の心と向き合い生きるにあたって、とても多くの指針を今年見つけることができました。 深い感謝を込めて。よいお年を。
世界の果てには、何も無いんだ。 どこまで歩いても、同じ道が続いてるだけ。 それなのに……
楽園を、目指せ。』
真っ白な雪景色のなか、点々とつづいていく狼の足跡。 どこまでも、どこまでも。 その情景のなか、ぽつり、ぽつりと語られる心情(狼の言葉)。 一話の冒頭(アバンタイトル)が、この作品を体現していて好きです。 この部分が作品通して語ろうとしている命題をストレートに訴えかけてくるからです。悲哀に満ちた孤独と絶望の中、ひたすらに希望を求めてやまない衝動。
ただただ物語の結末を観たいが為に最終話まで見続けたのは、「楽園を求める」ことが当時のぼくの命題でもあったからです。 そして、この作品は後半の展開にややつまづきを見せながらも、きちんとひとつの答えを明示し貫徹してくれた作品なので、とても好きです。 結末を知ると、この作品がとても王道を走る作品だったのだとわかるのですが、世界設定など、わかるようでわからない良い具合のファンタジーだなぁと思います。
楽園の置き場所や自分の衝動との付き合い方をまだ決めきれず、ずっと彷徨い、狼たちのように走りつづけていたぼくにとって、WOLF'S RAINは一つのヒントをくれた感慨深い一作となりました。
時代(社会)設定とメロスの戦士の位置づけ。「忘却の旋律」と呼ばれる少女の幻影が示唆するもの。 溢れんばかりのメッセージ性にどきっとしました。
序盤にあそこまでエスカレートさせたのだから、より深くより厳然と描いてみてほしかった。テーマについて話し合い、企画とシナリオを深めていく時間が足りなかったのかなと想像しますが、基本設定が良かっただけに悔やまれます。
生み出すことも大変な作業ですが、それと同じくらい(場合によってはそれ以上に)重要なのが、きちんと育てることです。 最終回まで育てきること。 ただ続けるのでなく。真摯に向き合い続けること。 そういった苦労に向き合い、最後まで作品の面倒をみようとすることで、自分自身が磨かれ育てられます。 そういったことを胸に秘めて、しっかりと作品と向き合いたいと思っています。
それに手を伸ばす宇宙服の青年の姿。
この「一本のネジ」が、この作品の作品性を如実に物語っているからです。 果てのない宇宙空間のなかに浮かんだただの一本のネジが、スペースシャトルの乗客を死に追いやるという事実。このものすごくミクロな存在の主張が、作中で描かれる地球(世界)と社会と人間の問題を考える際に、深い感慨と示唆を与えてくれるのです。
無から有を生み出した原作がありきだということは踏まえつつも、それをここまで見事に26話のアニメに「再構築」してみせたサンライズはさすがです。
その作品のテーマを体現する一つのキーワード(またはアイテム)が象徴的に描かれている作品が、とても好きです。 鋼の錬金術師でいうところの「等価交換の法則」がわかりやすい例ですし、DEATHNOTEの「デスノート」もシンプルにそれ単体が作品の中軸を成しています。 でも、プラネテスは大好きですが、DEATHNOTEはそうでもありません。
このブログは、ぼく自身が自分の「感動のツボ」をさがす旅のつもりで書いています。
高畑京一郎の名著『タイム・リープ』(上下巻)を読みました。 とてもしっかりと設計された作品で、プロローグから下巻のラストまで一気に読み進めてしまいました。どうしても食指の動かない作品もあるので、それを考えるととても面白く読めた作品だと思います。 でも残念ながら、ぼくのストライクゾーン(感動のツボ)からは外れました。
タイム・リープ(時間跳躍)の概念を用いた先駆作を踏まえ、ドラマとして面白く仕上げています。 それが「感動作」の位置づけに至らなかった理由です。
物語の仕組みは、まず最初にドラマ(時間パズル)のピースが欠けたところから始まり、一つずつカチッカチッとピースがはまっていくことで、事態が明らかになっていき物語が進みます。 (※)ただこの感想は、作品の所為ではなく、どちらかというと、ぼくの読む時期が遅すぎた所為だと思います。ぼくが20才くらいの頃……もっとタイムリープや作品構造が云々といったことを考えていなかった時代……に読むと、かなりの衝撃を与えてくれた名作の一つになっていたと思います。 ●二つ目は、面白い物語だったのですが、そこからもう一歩人間性などに踏み込んだメッセージ性がなかった点です。 事件が起こり、事件が解決し、ヒーローとヒロインが結ばれる。額面どおりのドラマで、この部分のつくりは丁寧でした。 著者の意図は、そのあたりには無いのだと思います。「時間パズルの仕掛けの妙」がこの作品の軸であり、そこから逸脱する(ある意味余計な)人間ドラマはかえって無い方が、作品としてスマートにまとまります。 ですので、ぼくの上記の意見は完全にお門違いなものだろうと思っています。
ぜひとも10年前に読みたかったです。 蜷川さんの舞台の魅力をひとつ。 すべてではないですが、多くの公演に、ある仕掛けがしてあります。 それは『演劇を見ている自分(現実の自分)』と、『作品世界(夢の空間)』を融和させる仕掛けです。 一つ例を挙げると、「開演前に舞台裏を見せる」という演出がありました。 開演15分前くらいまで、舞台上にセットが用意されておらず、観客の目の前で、作品世界の舞台装置を組み上げていくところを見せるのです。 それと同時に、まだ衣装を着ていない役者たちが舞台上に上がってきて、談笑したり、準備体操してたりします。 そして、10分、5分、3分……と近づくにつれ、作品世界の舞台が組みあがり、衣装をまとい役者たちが「作品世界の人間」へと、様変わりしていき、そのまま流れるようにして物語が始まっていくのです。 これには、相反する二つの効果があるなと思います。 ●作品への没入感を高める ……「始まる瞬間」が曖昧で、徐々に見入っていく ●それと同時に、頭の隅っこに現実を意識させる ……舞台であること、役者が同じ人間であることなどを見せる 蜷川さんは、手法は違えど、ちらほらこういった仕掛けを用います。 結果として、楽しみながら、『作品(演劇)を観ている自分』を無意識的に感じながら観ることになります。 このさじ加減がまた素晴らしい。 不快にさせず、楽しませながら現実を意識させる。憎いです。 もちろん、『演劇という枠組み』を意識させるのは、作中のドラマを、『夢物語のなかの感動』で済まさず、『現実に生きている蜷川さんが、受け手のぼくらに対して直接メッセージを投げかけてきている』からだろうと思っています。 難しい話でなく、蜷川さんには、感動をきちんと現実の自分にフィードバックして欲しいといった想いがあるのだと思います。 作中の感動やメッセージを、現実のぼくらの胸にダイレクトにとどけるための装置。 蜷川さんの舞台の作り方は、そんな感じがします。
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