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自分が感銘を受けたあらゆるジャンルの作品を完全な主観で備忘録的に書きとめていきます。 ■このブログの続きとして、【2109年を生きるゲーム職人への手紙。】に移転しました。 ■ときどきネタバレを含むのでご注意のほどを。
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演劇は、蜷川幸雄の公演が関西に来た時だけ観ます。

特に、シェイクスピアが好みです。


『蜷川幸雄×シェイクスピア』は、ぼくの中で今のところ最強のハーモニーです。

ぼくが魅力を感じるところは、作品メッセージを伝える為に研ぎ澄まされた、無駄のない洗練された構造美でしょうか。


■■■蜷川幸雄について

蜷川さんの公演を必ず観るのは、彼の演劇のつくりに惚れているからです。トータルでいうと、「骨太」で「鮮やか」な演劇だと感じます。

●「骨太」というのは、熱く力強い演出もさることながら、どんと地に足のついた重いテーマがある点です。
(原作の質の高さとは別に、蜷川さん自身がそれを通して伝えたいメッセージが、どしんと重たい)

●「鮮やか」というのは、舞台装置、衣装などを含めた「演出の切れ味」の鋭さ、鮮やかさです。
(公演の規模が大きいので、質が高いというのもありますが、それ以上に、ダイナミックな仕掛けが用意されていて、楽しませてくれます。そして、楽しませてくれるだけでなく、多くの場合、そのダイナミックな仕掛けこそが、ぼくらにメッセージを訴えかけてきます)

どちらも、ぼくのツボです。

力強く豪胆に、ど真ん中の剛速球を投げてくる。その上、あっと驚く仕掛けでメッセージが胸の深いところまで飛び込んでくる。そんな印象の演劇です。

全体に統一感があり、作品に乗せたメッセージを伝える為だけに特化した舞台。
極端な見方をすれば、そんな風にも観ることができて、やはりそのへんがぼく好み。


■■■シェイクスピア

原作にはそれほど詳しくはありません。
ただ、蜷川さんの公演でも、シェイクスピアと、そうでないのとでは、驚くほど出来が違うので驚いたのです。

シェイクスピアのものを幾つか続けてみて、違う脚本の公演を見た際に、設定や登場人物や場面に、あまりに無駄が多いので、驚きました。

「なんでこんなに出来がよくないんだ?!」 と思って、よくよく考えてみたら脚本が違うからだと(遅すぎるのですが)気づき、その段になってはじめて、シェイクスピアの本がいかに秀逸だったかを知りました。


印象でいうと、作品を構成する要素に『無駄』がないのです。

すべての要素に意味があって、響きあっている(……と、感じられるように創られている)。

無駄やノイズが多い方が楽しかったりもするので、一概にそれだけを評価するわけではないですが、ぼくの求める創作スタイルは、『無駄のない構造美』なので、さすがはシェイクスピアだと唸りました。



シェイクスピアの本に、老練な蜷川さんの演出が加わることで、鋭くパワフルな舞台が誕生します。
ゴールデンコンビです。

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