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自分が感銘を受けたあらゆるジャンルの作品を完全な主観で備忘録的に書きとめていきます。 ■このブログの続きとして、【2109年を生きるゲーム職人への手紙。】に移転しました。 ■ときどきネタバレを含むのでご注意のほどを。
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一本のネジが、広大な宇宙空間に浮かんでいる。

それに手を伸ばす宇宙服の青年の姿。


TV版プラネテスの公式サイトでも見ることができるメインイラストです。ぼくは、これがすごく好きです。

この「一本のネジ」が、この作品の作品性を如実に物語っているからです。

果てのない宇宙空間のなかに浮かんだただの一本のネジが、スペースシャトルの乗客を死に追いやるという事実。このものすごくミクロな存在の主張が、作中で描かれる地球(世界)と社会と人間の問題を考える際に、深い感慨と示唆を与えてくれるのです。


原作で描かれる「スペースデブリ」という素材から「一本のネジ」を抽出して描いたアニメスタッフ(担当者や企画チーム)のセンスは、本当に秀逸だと思います。
「デブリ」という作中で大きな存在感を示すものに、「ネジ」というビジュアルでの明確な形を与えて、ひと目で伝えきること。作品の本質を見抜く眼と、それを遺憾なく表現する技を、きちんと兼ね備えているプロの仕事だと感じました。

無から有を生み出した原作がありきだということは踏まえつつも、それをここまで見事に26話のアニメに「再構築」してみせたサンライズはさすがです。

 

その作品のテーマを体現する一つのキーワード(またはアイテム)が象徴的に描かれている作品が、とても好きです。

鋼の錬金術師でいうところの「等価交換の法則」がわかりやすい例ですし、DEATHNOTEの「デスノート」もシンプルにそれ単体が作品の中軸を成しています。

でも、プラネテスは大好きですが、DEATHNOTEはそうでもありません。
何が違うのかな?と思い返してみると、プラネテスはテーマを描く為にデブリ(ネジ)が存在する……言い方を変えると、より深いモノを描く為にデブリが活かされている……のに対して、DEATHNOTEは素材の面白さに終始してしまい、その奥に描きうるメッセージまであまり意識的に踏み込まなかったからだと思います。


そういえば、アニメ制作に関わらず、デザインやCM制作の仕事もシンボライズの仕事ですね。物事の本質や関連性を見抜き、的確に表現する仕事人には本当に憧れます。
いつかぼくも、見たひとが唸るような仕事をしてやろうと思います。

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