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自分が感銘を受けたあらゆるジャンルの作品を完全な主観で備忘録的に書きとめていきます。 ■このブログの続きとして、【2109年を生きるゲーム職人への手紙。】に移転しました。 ■ときどきネタバレを含むのでご注意のほどを。
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この二年ほどの間に、ぼくの人生の中では極めて貴重な体験を三度しました。

ある作品に触れた瞬間に号泣する……という体験です。


1度目は、アニメ映画『時をかける少女』。 

2度目は、いつだったか、槇原敬之の『僕が一番欲しかったもの』を聴いたとき。

3度目は、漫画『G戦場ヘヴンズドア』(日本橋ヨヲコ)を読んだときです。

 

とにかく、とめどなく涙が溢れてくるんですね。

それは普通に感動的な物語に触れたから、といった生半可なレベルの感動ではなくて、ぼくが心の奥底で(場合によっては自覚すらしていなかったくらい奥底で)求めていたものを、唐突に与えられた(出逢った)瞬間なんです。

ものすごいピンポイントで、ぼくの心の乾きを満たしてくれる想いがそこにはありました。

『ああ、これが共感の真髄だ』とぼくはそのときに実感しました。

 

それまでのぼくは「共感」という言葉の意味を、頭で理解し、心の比較的浅い部分でのみ感じており、もっと奥底の魂とでも呼ぶような深層レベルではわかっていなかったのです。

これまでに深層レベルでの感動がなかったかというと、そうではありませんが、「じぶんの心が欲しているモノをきちんと認識・自覚した」のは昨今になってからでした。

それを知る大きな手がかりになったが、上記の作品です。

「共感」の意味を「実感レベル」で理解できたのは、これらの作品のおかげです。

だから、ぼくの作品づくりはこれまでとまったく違ったものになります。

〃描きたいものの深度〃がぼくのなかで変質し、明確なビジョンが生まれたからです。

 

中でも『G戦場ヘヴンズドア』はごく最近。
つい先日、最終話までを読み終えたところです。

前回触れましたが、日本橋ヨヲコさんの作品は、ぼくの中ではスペシャルな存在です。

スペシャルというのは、他の作品とは同じレベルではないということで、どういうことかというと、日本橋ヨヲコさんの作品は「勿体なくて読めない」のです。

きちんと、一話一話を心ぜんぶで味わいながら、その意味を解釈し、消化しながら読みたい。

だから、少女ファイトも2巻までソッコーで買ったけど、実はまだ全話読んでないのです。

「二話連続で読んでしまう」のが勿体な過ぎる。



〃明らかにそれに触れることで、じぶんのなかの何かが覚醒する〃


そうわかっているからこそ、何でもない時に読むなんて勿体ないことができないのです。

心がまさに欲したその瞬間に(じぶんへの最高のご褒美として)読みたい。

それくらいぼくにとって特別な存在なのです。

買ったのに、読みたいのに、〃勿体なくて〃読めない。……こんな気持ちは、生まれて初めてです。

 

じぶんの人生観を変えるほどの作品と出逢えるというのは、とにかく幸せなことです。

いろんな人間がいて、いろんな想いや生き方があるから、人それぞれに欲するものも異なって、それゆえにいろんな作品が世に出回っている。

そんな中で、『G戦場ヘヴンズドア』との出逢いはぼくにとってスペシャルなものであり、ぼくも誰かにとってのスペシャルを世に送り出そう。

そういうビジョンを持つきっかけになりました。

 

日本橋ヨヲコさんの作品は、「生きること」と真っ向勝負しているような作品です。

その姿勢が好きですし、たくさんのことを教わりました。

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