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自分が感銘を受けたあらゆるジャンルの作品を完全な主観で備忘録的に書きとめていきます。 ■このブログの続きとして、【2109年を生きるゲーム職人への手紙。】に移転しました。 ■ときどきネタバレを含むのでご注意のほどを。
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がつんと金槌で頭を殴られたような衝撃を受けた歌があります。

槇原敬之の『店じまい』です。

アルバムのなかで一番地味なタイトルだったこの歌が伝えようとしていることが、ぼくにとって一番衝撃的で、思わぬ伏兵、完全な不意討ちでした。
おそらく今の日本人が一番持つべきメンタリティだろうと思います。


「加担しない」という決断によって、自己責任をまっとうする心です。

じぶんは無関係だと思わない心。

この歌が問いかけてくることはとてもシンプルなことです。

身近な例でいえば、赤信号をみんなで渡るか、渡らないか、というような問いです。


『店じまい』は痛烈な仕掛けでもって、自分のいまの幸せ(日常生活)と、異国の戦争の不幸とが直接的な接点を持ち、それに気づかされた男の懊悩を描いています。

その切り口の鋭さに、本当にどきっとしました。

 

この歌は痛切に問いかけてきます。

「じぶんひとりがやめたくらいで、世の中は何も変わらないし……」

ぼくらひとりひとりがそう想いつづけているかぎり、社会はいつまで経っても何も変わらないという、至極当然の事実を告げてくれます。

 

『いま、この歌を聴いたあなたが、明日からもおなじように(社会の一員である自分を無意識のうちに棚上げして)漫然と社会を憂えて生きてくだけの人間だったら、いつまでたっても未来はよくならないぞ』

そう言われている気がして、胸が苦しくなりました。

この歌は、ぼくのなかにあった「何もできないじぶん」という幻想を打ち砕いてくれました。「ぼくの立場じゃなにもできないから」という言い訳をじぶんに対してし続けてきた自分にきづいたのです。

そして、ぼくにできることがたくさんあることに気づきました。

それが『店じまい』です。


無自覚なじぶんの行ないに気づき、「やめる」こと。

知らないうちにじぶんは、異国の戦場の悲劇に(否定しないというやり方でもって)加担・肯定しているのではないか? ぼくらひとりひとりが、そういう問いをじぶんに対して立てないうちは、異国の戦争も終わらないのです。

無自覚・無関心であることがうまく利用されている例が、世の中にはたくさんあります。

これは、遠い国の話だけでなく、すべてのものごとに対するメンタリティの話です。

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